ローレライ

昨日http://www.507.jp/index.htmlを無事鑑賞してきました。
色々な評価があるようですが自分的には大ヒットでした。
まずその背景設定。
福井春敏氏の小説は「亡国のイージス」しか読んだことなかったのですが、とてもリアルな現在の中に在りそうでない状態を見事に表現することに長けた人だと思います。
ローレライにおいても同様で、第二次大戦末期に設定された壮大なフィクションが見事にマッチしていました。もちろん人によっては全く受け付けない設定かも知れませんが、それはどんな映画でもありうることです。
次に人物描写。
樋口真嗣監督といえばGAINAX平成ガメラシリーズに代表される特技監督の印象が強かったので、あの豪華で個性的なキャストをどうまとめてるか興味津々だったのですが、悪く言えば大げさ、よく言えば印象的にキャラクターメイキングされていると感じました。
艦長役の役所広司さんをはじめとするキャスティングはほとんど皆さん地のままで生き生きと演じられていました。
そしてアクション。
福井敏晴氏といえばアクション?と思えるほどアクションシーンは完成されていたと思います。樋口監督自らが特技監督も兼任されているだけあって、その見事なカット割、カメラワークはすばらしかったと思います。コンテなんかたぶんすごい細かい設定になってるんじゃないかと思います。特に艦内乗員の動きやセリフ回しは、潜水艦特殊空間を巧く表現されていたと思います。
絵コンテのクレジットに庵野氏の名前があったときにはちょっと笑えました。

CGの技術自体は現在の日本ではたぶん限界なんではないでしょうか。スクリーンでみても「CGだな」とわかってしまうカットがたくさんあるのですがそれを逆手にとってうまく見せていると思います。
イ-507の初戦闘シーンは鳥肌がたってしまいました。

ローレライに関する説明が薄い点や、各キャストのバックボーン説明にもう少し時間が取れていればもっと完成度は高まったと思いますが、総じてすごい映画だったと思います。
日本映画には偏見や先入観というハンデがまだまだあると思いますが、こういう映画が出てくる環境は確かに存在してるうれしさを感じる事が出来ました。
「決してあきらめない」というメッセージは強く心に残りました。
みなさんも是非。日本人の魂が揺さぶられますよw

・完璧に蛇足ですがおすぎの映画評論ってなんであんなにばかっぽいんですかね・・・